常時接続は本当にいいのか?
最近ではパソコンを購入すると同時にADSLなどの常時接続に加入する人も増えている。
Bフレッツなどの登場にも見られるように今後ブロードバンド(高速回線)は
増加することはあっても減っていく、ということはないだろう。
しかしである。
現在常時接続の利用者がどれくらいいるか、と言えば
インターネット利用者の3割前後。インターネットの利用人口(iモード等を除く)が国民全員と言うわけではないので
まだまだ少数派、と言えるだろう。
だがその一方で常時接続専用のサービスや、
ナローバンドでは読み込みに時間がかかるようなページは確実に増えている。
何故か?
ホームページを作成する側からすれば、従来のダイヤルアップなどのナローバンドしかない状況では、
ページの読み込みに時間がかかるようではせっかく作っても誰も見なくなってしまう。
そうなると自然に容量を気にするようになり、画像ファイルの画質を下げたり
画像の使用数を控えるなど、デザインに制約がかかることになる。
だが、常時接続の普及により読み込み時間を気にしなくてもよい、ということになれば
これまでデザインの上で足枷となっていたページの容量から開放されるため、
容量(読み込み時間)を気にせず、自由なデザインができることとなる。
ホームページの作り手からすれば、自由に自分のやりたいデザインができる、
となればこんなにうれしいことはないだろう。
自分のページなのだからどんなデザインにしてもそれは自由である。
しかし、「誰かに見てもらう」という観点から考えると
まだまだ常時接続が普及していない現状からすると
デザインの基本は常時接続ではなく、
むしろダイヤルアップなどのナローバンドを中心に考えるべきではないだろうか?
言い方を変えれば常時接続を中心に考える、ということは
ナローバンド、つまり恵まれない環境の人を無視する弱者切捨ての考え方とはいえないだろうか?
だからこれから本格的にインターネットを始めようとする人に対して声を大にして言いたい。
最初から常時接続にするのではなく、まずはダイヤルアップからはじめよう、と。
ナローバンドを体験すれば、将来自分でホームページを開設するときに
心の片隅に「あまり読み込みに時間がかからないようにしよう」という意識が芽生えるだろう。
それは自分のページを見てくる人への礼儀、
ひいては現在失われつつある他人への思いやりへとつながってくるだろう。
最後にこれは自分の家では回線の都合上ADSLを導入できない
師範の僻みではないことを付け加えておく。
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