フレームは斜陽の技術か?

新しいHTMLのバージョンではついにフレームがその姿を消した。

だが、実際問題としてフレームを使ったページは姿を消しただろうか?

答えは否、である。

HTMLのバージョンが新しくなったことによって非推奨、または姿を消したタグや属性も確かにある。

だが、姿を消したものであってもまだその代わりになる技術が確立していないなどの理由で

古いバージョンのものもつかえるようになっている。

フレームもそんな技術のひとつである。



そもそもフレームとはどんな技術か?



自分のホームページを作るとき、1ページで終了する事はまずありえない。

また、作った以上はこまめに更新をして内容を増やしていくのが普通である。

しかし内容が増えるにつれてページの構造も複雑になり、

自分が今どこを見ているのかわからなくなる、

あるいはなかなか最初のページに戻れないという事態が発生する。

そこでフレームの登場である。

画面を分割し、片方には常にメニューを表示し、もう片方に内容を表示することによって

いつでも好きなページに切り替えることが可能になったのである。


ただ、このフレームには問題点が2つある。


ひとつは画面を分割することによって、内容の表示が小さく見にくくなるという点である。

フレームを使うと、本来であれば1画面で表示できたものが、

画面を分割して表示部分を小さくしたためにスクロールさせなくてはならないということも起こる。

しかしこれはたいした問題ではない。

深刻なのはもうひとつの問題点、リンクの設定である。

ページをメニュー部分と内容の部分に分割したため、

通常のリンクの設定ではメニューの部分しか切り替わらない。

そのためメニューで選択したリンク先を

本文を表示するフレームに表示できるように設定する必要があるのだが、

このときに誰かほかの人のページにリンクしているとき、

しっかりと新しいウィンドウで表示できるようにせず、

通常の設定のままにすると自分のページのフレーム(本文表示部分)に表示されることになる。

これはほかの人のページを自分のページの一部分のように扱うように見られてしまい、

場合によっては著作権の侵害で訴えられる可能性もある。

これらの問題点があることに加え

スタイルシートとJavaScriptを併用することによって

フレーム表示のようなメニューを作れるようになったこともフレーム廃止の一因だろう。

しかし、それを実際に行うにはスタイルシートとJavaScriptの知識が求められ

初心者には敷居の高いものになってしまう。

そのため、何らかの形でフレームの技術は今後も存在しつづけるだろう。

もしこれから自分のページを作ろうという人で、フレームを使う予定のある人は

以上の点を踏まえて慎重に使うことをおすすめする。

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