護身術

〜インターネット上の危険から身を守る方法〜

コンピュータウィルス対策
著作権トラブルに巻き込まれないために

コンピュータウィルス対策

コンピュータウィルスとは?

旧通商産業省(現在の経済産業省)の定義によると 「第三者のプログラムやデータベースに対して 意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり のうち、1つ以上を有するもの」とされている。 よりわかりやすくいえば 「知らないうちにデータが書き換えられている」 「ある一定期間を経ないと作動しない」 「データを破壊・パソコンの動作を不安定にする」 といったところだろう。 この定義には当てはまらないが「トロイの木馬」や「ワーム」なども 「コンピュータウィルス」と呼ばれる。最近ではむしろこちらのほうが主流である。

コンピュータウィルスはどこからやってくる?

宇宙の彼方あるいはジャングルの奥地から・・・ウソです。真面目にやります。 コンピュータウィルスの感染源として可能性の高いものから順番に挙げていくと 一番多いのがインターネット経由での感染であるが、 それ以外でも他のパソコンとデータを交換したときであれば感染する危険性は付きまとう。

コンピュータウィルスによる被害はどんなもの?

コンピュータウィルスによる被害はウィルスの種類によって異なるが、 次の4種類のうちのいずれかあるいは複数の機能を持つ メッセージや画像を表示する メッセージなどを消そうと操作しても消えない、操作は普通にできるが画像が邪魔をするなど 愉快犯的な要素が強いが、画像などを表示している間に別の働きをしていることもある 情報を外部に流す 別のパソコンから自分のパソコンを操作できるようにしたり、個人情報やデータなどを メールで特定の場所、あるいはアドレス帳にあるメールアドレスに送りつけたりする データを破壊する 自分のパソコンの中にあるファイルを書き換え、あるいは削除して使用不能にする パソコンを破壊する コンピュータを動かすシステムの部分やWindowsのシステムの部分を 書き換えまたは破壊し、パソコンを使用不能にする

危険なメールの見分け方

現在ウィルスの感染源として最も多いのがメールによる感染である。 ウィルスのついている可能性の高いメールを見分けることができ、 さらにそれに対しての適切な対応が取れれば メールからウィルスの被害をこうむることはなくなるだろう。 ではどんなメールが怪しいのか? 次のようなメールが来たら注意してもらいたい。 メールのタイトルが「re:」「fw:」で始まっているもの それぞれ「返信」「転送」を意味している。 最近のウィルスはOutLookExpressについている「アドレス帳」に登録してある アドレスにウィルス自身をメールにコピーして転送する、という能力を持ったものもある。 これは「返信」や「転送」という機能を使っているためタイトルの最初に返信を表す「re:」や 転送であることを示す「fw:」という文字がついてくる。 知っている人からのメールであろうとこれらの文字を見かけたら警戒してほしい。 メールのタイトルがすべてアルファベット ウィルスの多くは外国で生まれているため、メールのタイトルは外国語や または意味のないアルファベット・記号の羅列であることが多い。 外国人の知り合いがいないのに外国語のメールが来たら ウィルスかあるいはどこかの広告である可能性が高いと思っていいだろう。 ただ、最近発見されたウィルスの中にはタイトルが日本語になっているものもあるため 日本語のタイトルだからといっても油断は禁物である。 添付ファイルがついている 最も注意が必要なものです。さらに上にあげた条件を満たしている場合は 「添付ファイル=ウィルス」と思って間違いないだろう。 知っている人からのメールであっても 添付ファイルをつけたかどうか確認するくらいの注意が必要である。 また、「添付ファイルを開かなくてもメールを読んだだけで感染する」 という凶悪なものもあるので OutlookExpressを使用している場合はあらかじめ設定を変えておくといいだろう。(詳細は後述)

ウィルスから身を守るには?

コンピュータウィルスから自分のパソコンを守るにはいろいろな方法がある。 単独でもそれなりの効果を得られるが、あわせて使えばより守りは堅くなるだろう。 優先的に行ってほしい方法から順番に挙げていく。 1、ウィルス対策ソフトを導入する ・・・「そんなの当たり前だ!」とツッコミを入れられると非常に返答に困るのだが もし常時接続にしている人でこの方法を採っていない人がいたら、 それは自殺行為といってもいいだろう。 逆を言えば、この方法さえ採っていればほとんどのウィルスは何とかなってしまう。 ただ、今この説明を読んでいる間にも新しいウィルスはどんどん登場しているので せっかくウィルス対策ソフトを導入しても、最新情報に更新していないと意味はない最低でも週に一度ウィルス対策ソフトを発行している会社から最新情報をダウンロードし、 新型ウィルスに備えてもらいたい。 2、メールのプレビュー機能を無効にする 先にも述べたがウィルスの中には 「添付ファイルを開かなくてもメールを読んだだけで感染する」 という凶悪なものもある。 これはメールを読み込んだ瞬間、つまり「プレビュー」でもアウトである。 なのであらかじめプレビューを無効にし、不用意にメールを開かないようにする必要がある。 方法は以下の通り。
  1. OutlookExpressを起動する
  2. 「送信トレイ」をクリックする
  3. 「表示」→「レイアウト」をクリック
  4. 「プレビューウィンドウを表示する」のチェックを外す
また、ウィルスの作り手が狙うのは普及しているソフトウェアであるため、 OutlookExpress以外のメールソフトを使うのも一つの方法である。 3、インターネットエクスプローラを最新版にする 古いバージョンのインターネットエクスプローラには セキュリティホールと呼ばれる弱点があり、 そこを攻撃するウィルスもあるため、この弱点をなくさなくてはならない。 インターネットエクスプローラの「ヘルプ」→「バージョン情報」で確認することができるが、 バージョンの最初の数字が「6」になっているのが最新版(2002年5月現在)である。 バージョンが「5.5」「5.01」で更新バージョンが「SP2」になっているものも この弱点は解消されている。 しかしそれ以外のバージョンになっていたらすぐに最新版に変える必要がある。 インターネットにつながっていればバージョン情報の画面から 最新版を入手するページへ行くことができるのですぐにダウンロードしよう。 (ただ、アナログなど接続方法によってはかなり時間がかかることを追記しておく) また、ウィルスの作り手が狙うのは普及しているソフトウェアであるため、 インターネットエクスプローラ以外のブラウザを使うのも一つの方法である。 以上に挙げた方法の他には「ActiveX」や「Javascript」を無効にする、という方法もあるが これらを無効にするとブラウザの機能が著しく制限されるためあまりおすすめしない。

著作権トラブルに巻き込まれないために

著作権とは?

著作権を英訳すると「COPYRIGHT」、つまり「複製する権利」となる。 著作物、具体的なものを挙げると 小説・絵画・彫刻・音楽・演劇などの芸術作品、論文・設計図・プログラムなどの研究結果などは それを手がけた人たちの苦労や努力の結晶であるため、 安易に他人に使われてはたまったものではない。 そこで「作った人に無断で著作物を複製してはならない」という権利を認めると 複製するときには作者の許可を得る必要が出てくるので その許可を作者が出すときに金銭などの条件を提示すれば 十分にその著作物を製作する労力に報いたことになるだろう。 つまり著作権とは「財産権」の一種、と考えることができる。 この権利を認めることにより「著作物を作る=財産を作る」という公式が成立するため (著作物を作ってもその内容がつまらないものなら1銭の価値もないという厳しい現実もあるが) 自分も財産を作ろうとして著作物がたくさん創られ、国全体の文化水準が上がることにもなる。

著作権を侵害するとどうなる?

先にも触れたように著作権とは財産権の一種とも考えられるため、 作者に無断で使用するということは、作者の財産権を侵害したことになる。 そのため著作権を侵害すると 三年以下の懲役 または 三百万円以下の罰金(個人) 一億円以下の罰金(会社などの法人) という厳しい罰則が待っている。 またこれ以外にも損害賠償請求などをされる可能性もある。

盗作と模倣

「上達するにはうまい人のまねをしろ」というのはあらゆる分野において 上達するためのアドバイスとしてよく言われている。 しかし著作物における「まね」となると「盗作」という言葉がよく使われる。 では「盗作」と「模倣」の境界線はどこにあるのだろうか? 例えば 長い間有名な漫画家の下でアシスタントとして修行していた人が 自分の作品を発表したところ、長年アシスタントをしていたせいか、 絵がその有名な漫画家と似通っている、 というのは「模倣」と考えられる。 しかし、 長い間有名な漫画家の下でアシスタントとして修行していた人が 自分の作品を発表してもさっぱりだったため、アシスタント先で偶然入手した 有名漫画家の未発表作品を自分の名前で発表した、 というのはりっぱな「盗作」にあたる。 裁判所の判例によると 「他人の書風・画風にならって書画を作成した場合にそれは著作権の侵害とならない」 という見解を示している。 「盗作」も「模倣」も法律用語ではないが、 言葉の意味としては 盗作:他人の作成した著作物を自分の名前で発表すること 模倣:他人の著作物の雰囲気をまねて自分で新しい著作物を作ること となるため、先の判例と合わせて考えると 「模倣」はOKだが「盗作」はダメ、ということになる。 言葉の雰囲気は似ているが両者は似て非なるものと考える必要があるだろう。 それこそ「東条英機」と「西城秀樹」くらい違うと思っていいだろう(関係ナシ)

著作物の利用

著作物の利用にあたり法律で無断利用が厳しく制限されているが、 場合によっては著作権を持つ作者の承諾がなくても利用できることがある。 いくつか例を挙げると などがある。 しかし上記の条件を満たしていても 金銭などが絡んできたりすると著作権の侵害とみなされることもあるので注意が必要である。

インターネットにおける著作権

1、フリー素材 自分のホームページを作るときにどんなデザインにするか、で頭を抱える人は多いだろう。 そんな人たちの強い味方が「フリー素材集」である。 ここから壁紙やアイコンバナーなどを入手してつくれば あっという間に見栄えの良いページができてしまう。 しかし「フリー素材集」とは「著作権を放棄」しているわけではないので 使用に関しては注意事項がいくつかある。 たいていの素材集のページにはいっしょに注意事項も書いてあるので 使用の前に一読しておくことをおすすめする。 よくあるパターンとしては などが挙げられる。 2、フレームページの落とし穴 一つのページを分割してメニューなどを常に表示した状態にする 「フレームページ」という技法はよく使われているが、 これも一歩間違えると著作権を侵害する恐れがある。 フレームを使用した自分のページのリンク集から 他のページへとリンクで移動するときに 移動先のページが自分のフレームの中にすっぽりと納まってしまうことがある。 これはフレームページのリンクの設定ミスでよく起こるのだが、これを放置しておくと リンク先のページが作者の意図どおりに表示されないだけではなく、 まるで自分のページの一部のように扱っていることになるので 「盗作」とみなされる場合もある。 なのでフレームページで他の人のページにリンクを設定するときには 必ず「target="_top"」または「target="_blank"」を <a>タグの中に設定しておこう。 3、リンクを張るときの注意点 よくトップページに「リンクフリー」という言葉を見ることがある。 これは「このページへのリンクは自由です」という意味である。 個人のページではリンクフリーのところが多いのだが、 企業や団体のページではトップページに特にそういった項目が書いていないところもある だからといって勝手にリンクをしても良いものかと言うと、 しっかりと「よくある質問」という項目や注意事項などのところで リンクについてメールなどで連絡するように、と規定してあるところもあるので 「リンクについての項目がトップページに出ていない=リンクフリー」 と考えるのは早計である。 また、リンク集はデータベースの一種とみなされ、著作物として扱われることもあるため トップページを無視してリンク集にリンクを張るのはやめたほうがいいだろう。 ちなみにこの「伊助の鍛錬場」はリンクフリーなので 自分のページを作ったらどんどんリンクをはってほしい。 ・・・とさりげなく宣伝。
参考文献: 「セキュリティ突破最強護身術」 2002年 宝島社 「インターネット時代の著作権」 半田正夫 2001年 丸善ライブラリー


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