23m。 その距離は走れば5秒とかからない短い距離である。 しかし時によってはとてつもなく長く感じるときもある。 接続−connect−(後編) とりあえず対応しているゲームのインストールは終わった。 いよいよインターネットへの接続である。 まずはプロバイダに接続しないといけないのだが、 これはすでに某プロバイダの接続用のソフトを用意していたので問題はなかった。 体験のため「100時間無料」となっていたのと いっしょに入っていた某電気ネズミの映画の宣伝にひかれて選んでしまった。 まあそれは些細な理由として、 本当のところはユーザサポートが充実していた、これが選択の基準だった。 ソフトのインストール自体はたいしたことではなかったのだが、 困ったことが一つあった。 インターネットに接続するにはモデムと電話回線をつなげないといけないのだが、 私の部屋から一番近い電話までは直線距離でも10m近くあった。 実際には壁に線を伝わらせることになるから、それよりもかなり長くなるだろう。 しかも途中には行く手をさえぎるかのごとくドアがあった。 常時接続がある程度普及し、無線を使った家庭内LANですら珍しくない現在からは あまり想像できないかもしれないが、 そのような手段がない当時としてはこれは大きな問題だった。 自分の部屋に電話回線を引くことも考えたが、コストや手間を考えた結果断念した。 壁伝いにパソコンから電話までの距離を測定した結果、その距離は23m。 つまり線の長さは30mくらいあればいいのである。 さっそくパソコンショップに足を運び探してみたが、 15m以上のものはなかなか見つからなかった。 長さだけしか目に入らなかったので、間違えてLANケーブルを買ってしまったこともあった。 (これが数年後思わぬところで役に立つのだが、これはまた後の話) しかし線は意外なところで見つかった。 近所の電気屋である。 そこにはちょうどいい長さのものはなかったが、40mという長い電話線が置いてあった。 線の太さもドアの隙間をくぐらせることができるものだった。 こうしてすべての準備は整った。 あとはパソコンと電話回線をつなげるだけである。 しかし、それこそが最大の難関であることをこのときはまだ知る由もなかった・・・ つづく
次回予告 準備は完了した。だが、そこには巨大な迷宮が待ち構えていた! 果たして無事にインターネットの世界につなぐことはできるのか!? ってゆーか後編が終わったのにまだインターネットに接続できない!! 遅いぞ作者!ヘボいぞ作者!!このまま続くかとっても不安な 第十一話「混線−confusion−」! 秋の夜長は虫の音に風情を感じつつ待て!!