自宅でインターネットがやりたい! その思いは日々強くなっていった。 しかし、そこには思わぬ問題が待ち構えていた・・・ 新型−new model− 高校時代から何度通ったかわからないパソコンショップの前に私は立っていた。 そう、かつてあるソフトを購入するために来た店と同じところである。(第三話参照) あれから何度かゲームソフトを購入するために訪れていたが、 徐々に「Windows対応」や「CD-ROM」等の見出しが多くなっていた。 フロッピーディスクは姿を消しつつあった。 そして店頭に出ているプロバイダ接続用のソフトがCD-ROM版しか出ていないことを知ったとき、 MS-DOSではなく「Windows用」とパッケージに書かれているのを見たとき、 現在の機体の限界を悟った。 大学に入ってからアルバイトを始め、部活動で必要なものや 通学に使う原付を購入してもパソコン1台くらいは変えるほどの貯金があった。 ここは思い切ってパソコンを買い換えることにした。 とりあえずは現在出ているパソコンについての情報を集めるため パソコンの性能を示す「仕様書」なるものを見ると、「CPU」「メモリ」「HD(ハードディスク)」など、 初めて買ったときには目にもしなかった(あったかもしれないけど記憶の片隅にも残っていない) 言葉に圧倒されそうになった。 しかし「難しい」と先入観を持ってしまうと、見えるはずのものも見えなくなる、 ハードディスク増設の一件ですでにそのことを経験していた(第五話参照)ので、 要は数値が大きければ大きいほど高性能なのだ、と割り切ることにした。 そして改めて仕様書を見直すと、そこには驚愕の事実が待ち構えていた。内蔵ハードディスク:850MB
・・・内蔵、ってことは最初からパソコンにハードディスクがついている、ってことだよな・・・ そういえば以前苦労して取り付けたハードディスクの容量っていくつだったかな・・・? ・・・たしか150MBだったような気がするな・・・ 850、ってことは・・・6倍くらいかな・・・? はは・・・便利な世の中になったものだなー・・・ ・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・あの苦労はいったいなんだったのだろう(泣)
技術の進歩の無情さを思い知らされた10代最後の夏の日の出来事だった。 つづく
次回予告 新型を購入し、自宅のパソコンの画面に「Windows」の文字が光る! 技術の進歩に感動しつつすっかりWindowsに魅了される!! ってゆーかインターネットのほうはどうなったのでしょう? そろそろ次回予告のネタにもつまり始めた 第九話「接続−connect−(前編)」! 夕方は冷房を切って、外から聞こえてくるセミの声に風情を感じながら待て!!